“とまり木（バーディーズ・パーチ）” に迷いこんできた少女たちのひとり。まとめ役の最年長。
とても気づかいがうまく、人柄は温厚。
個性的な （というかアクの強い） 少女たちがなんとなくまとまっているのは、フィオナの人徳によるところが大きい。
一昔前にはやった歌 「スイートロビンガール」 をよく口ずさんでいる。
大事そうに持っているヴァイオリンは、だが、本人曰く 「弾けない」 らしい。
宿無しではあるものの、その立ち居振る舞いは上品で、言葉には教養が感じられる。
口ぶりからすると、もともとレヴィンダムに住んでいるようなのだが…？

「どうぞ先に休んでください。後のことはわたしがやっておきますから」

“とまり木” に迷いこんできた少女たちのひとり。機転の利くアイデアマン。
四人の中でいちばん華がある……が、トゲもある。皮肉屋で気が強い。
料理上手で、店ではおもに厨房を受けもっている。
趣味はおさんぽ。休日などはひとりで街を散策しているようだ。
チョーカーがお気に入りらしく、いつも身に着けている。
素性については一切が不明。ときおり、ひどく寂しそうな顔をのぞかせる理由とはいったい…？

「マスターってば不器用だから。あたしがいなきゃ困るでしょ？」

“とまり木” に迷いこんできた少女たちのひとり。いつも前向きムードメーカー。
裏表のない性格で、良くも悪くも素直すぎ。サバサバしていて物事にこだわらない。
物心ついた頃から天涯孤独の身で、三年前に孤児院を飛びだしてからというもの、自分の力だけを頼りにずっと生きてきた。
どんな困難も笑って流せる強さをもつ反面、“他人に合わせる” ことを知らない。
そんなメグが誰かと心からうち解けられる日は、果たして訪れるのだろうか…？

「独りのほうが気楽だね。ただ、みんなでつるむのも意外と悪くないかな」

“とまり木” に迷いこんできた少女たちのひとり。人なつっこいマスコット、最年少。
純真無垢な心の持ち主だが、それでいておっちょこちょいで甘えんぼうで泣き虫なので、周りの人間にしてみれば危なっかしくて放っておけない。
特技の　“お絵かき” は素人目にもわかるほど抜群のセンスをもっている。
石ころや木の実など、自分が 「きれい」 だと思ったものを集めるのが好きで、プリスの部屋は拾ってきたガラクタであふれてる（そしてエレンに叱られる）。
行方知れずになった父親を捜して、旅をしているらしい。

「シドにギュッてするとね、すごくあったかい匂いがするの」

主人公。
「おっさん」 呼ばわりされるとちょっと傷つくお年ごろ。不器用な性格だが、情に厚い。
歳相応に分別があって、甲斐性もあって、がんこ。
レヴィンダムの下町、キーパー通りで喫茶店 『とまり木』 を営む。
コーヒーには一家言あり、店の評判も上々だった。一年前までは。
が、度重なる不幸にみまわれ、今じゃホコリまみれの借金まみれ。すっかり心くじけて飲んだくれてしまっている。
ひょんなことから宿無しの少女たち四人に屋根を貸し、店を手伝ってもらうことになる。
少女たちと触れ合ううちに、アルコールでうだった心にうるおいを取り戻していく。

「まったく、世話の焼けるお嬢さん方だ」

「ふふっ、頼もしいじゃない」

「あ、なんだい、その疑いの眼差しは！　まさか僕の言うことを信じてないの？」